歌曲、ピアノ曲、室内楽、管弦楽、バレエ、オペラなど多岐にわたり作品を残し、20世紀を代表するフランス人作曲家兼ピアニストとして著名なF.プーランク(1899-1963)。彼は「サラバンド」のタイトルを持つギター曲も残しています。

1960年に作曲され、翌年61年にイタリアのRICORDI社から出版されているので、最晩年の作という事になります。旋法的な短いパッセージの繰り返し、拍子の頻繁な入れ替わり(5/4→3/4→4/4→3/4 ・・・)、ギターの開放弦(ミラレソシミ)による不協和音、低音の半音階・順次的な進行、等々によって独特のメランコリックな雰囲気を持った名曲として知られています。

ただこのRICORDI社から出版された楽譜が曲者なのです。ギター曲の大半はピアノのような大譜表(ト音記号とヘ音記号)ではなく、1段の譜表(ト音記号の)で書かれています。メロディーと低音の動きは通常符尾の向きの違いで見分けるわけですが、このサランバンドはその処理がなされていません。例えば、何度も繰り返される3小節目は本来なら下の様に書くべきなのですが・・・?

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原譜がどうなっているのかよく分かりませんが、上記以外も基本は上の様なスタイルで書かれています。なぜ???でも独特の美しさを持った曲です。あとギター曲ではありませんが、同作曲家による「愛の小径」もとっても素敵なシャンソンです!