「タブラチュア」はリュートなど古典的な撥弦楽器を演奏する際に用いられる奏法譜のことを意味します。ロックやポップスギターでも通称「タブ譜」と呼ばれているものが使われますが、基本的なシステムはほぼどちらも同じです。視覚的に見て分かるように「押さえるポジション」と「リズム」が併記されており、ドイツ式、イタリア式、フランス式など複数のシステムが歴史的には用いられていました。
読み方を知らない人からすると「意味不明」なタブラチュア。でも慣れてしまえば便利な物ですし、また歴史的にそれらが用いられていたわけなので、現在でもリュートなどを演奏する際には使用されます。ただ音のつながりや、その音がどこまで伸びているのか、という事に関して「五線譜」ですと一目瞭然ですが、タブラチュアの場合は実際に演奏してみないと分からない部分も多くあり「慣れ」が必要でもあります。(通奏低音をする際は、リュートでも「五線譜」を使います)
当時の手書きや出版されたタブラチュアは、現在パプリックドメインとしてWeb上で公有されているものも多くあります。その一部は当ホームページのリュート音楽の作曲家たちよりご覧頂く事が出来ます。中には少々見難かったり、誤植があったりするものもありますが、愛好家が楽しみで用いられる分には問題ないでしょう。またリュート関係の専門出版社として著名ながら、惜しまれつつ2020年に廃業したTree Editionの出版物も現在こちらよりご覧頂けます。