クラシックギターはクラシックの定番曲はもちろん、いろいろなジャンルの曲も楽しめる「幅広さ」を持ったギターです。ではクラシック以外にどんなジャンルの音楽が楽しめるのでしょうか?
■ ボサノヴァ
ボサノヴァは「イパネマの娘」や「フェリシダージ」など日本でも特に人気のあるブラジル音楽のいちジャンルです。テンションコードを刻みながら、歌われるその音楽はどことなくおしゃれな雰囲気が。ナイロン弦ギター(クラシックギター)の優しい響きがよく合いますね。
ジョアン・ジルベルトのような弾き語りも良し!バーデン・パウエルなどの曲をソロで弾くも良し!(こちらは相当練習が必要でしょうが)
■ タンゴ
ボサノヴァ同様、南米音楽を代表するアルゼンチンタンゴですが、それらは通常バンドネオンやピアノ、ギター、ベースなどのアンサンブルで演奏されます。しかし90年代後半にクラシック界にピアソラブームが起こって以来、ギターのデュオやソロでも弾けるようにアレンジされたものが徐々に手に入るようになりました。タンゴ独特のリズム感や不協和音はクラシックにはないものなので、大いに新鮮な感じることでしょう。
現代ギター社より出版された「タンゴ名曲集:レオナルド・ブラーボ編」なんかは弾き易く、かつタンゴの雰囲気もちゃんと残されたアレンジで、レッスンでもしばしば利用しております。
■ 演歌
古賀メロディをはじめとする演歌のジャンルでもクラシックギター(ガットギター)は伴奏、間奏など様々な場面で用いられております。木村好夫、斉藤功氏など演歌ギターを代表するギタリストによる「艶やか」なギタープレイは今も多くのファンがいることと思います。特に中高年の方々にとっては「慣れ親しんだ」「日本の心を感じさせる」音楽として今もなお演歌は人気があるでしょう。
現在では往年の名曲をギターソロにアレンジした曲集などもいろいろ出版されておりますので、それらを通して一人で演歌ギターを楽しむことも出来ます。こういった曲集の多くはタブ譜も併記されていることが多いので「ハイポジションの譜読みが苦手なんだよな・・・」とお悩みの方でも容易に楽しめるよう工夫されております。
ちなみに余談ですが、プロの演歌ギターの方々がお使いの楽器はD.フレドリッシュ、H.ハウザー1世・2世、J.L.ロマニリョス、P.ベルナベなど蒼々たる銘器ぞろいだったりします!
■ 映画音楽
映画やドラマで用いられた主題歌やテーマ音楽が印象深いものであると、本編にもまして人の記憶に残るということがあります。例えば、クラシックギターの最も有名な曲の一つである「禁じられた遊びのテーマ」など映画は知らないけれど曲は聞いたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。アニメであれば定番の人気はやはりスタジオジブリによる数々の作品で、それらで用いられたテーマ曲は多くの人に好まれています。当然ながらギターでジブリ作品の曲を引きたい!という方もいらっしゃるので、そのニーズに応えた曲集も数点出版されています。それらはタブ譜も併用されており、楽譜が苦手な方でも楽しめる工夫がされております。