まだ7月ですが、既に夏真っ盛り。トホホ・・・に暑い日が続いております。人間にとってもこの暑さ応えますが、それは楽器にとっても同じこと。ギターやリュートといった弦楽器は木と木の接合部分をボルトなどで締め付けているわけではなく、おもにニカワ(動物性の接着剤)でくっつけております。ニカワはそこらの木工用ボンドよりも接着力が強いだけでなく、修理のために接合部分をはがす際、木の繊維をいためる事なくはがせるなど、様々な利点があるため長い間弦楽器の製作現場で使われてきました。
ただニカワは60度くらいになると溶け始めてしまいます。エアコンの効いていない車の中や、直射日光があたる窓辺などはかなり高温になるでしょうから、なるべく夏の間はそのような過酷な環境に楽器をさらさないのが賢明かと思われます。知り合いでも車に楽器を置いて買い物に出かけていたら、ハイポジションのフレットがはがれてしまった、というのを聞いた事があります。(リュートなどのハイポジションのフレットはご覧の通り表面板に貼付けてあります)
冬の乾燥も木材割れの引き金になるので湿度への配慮が必要ですが、夏の暑さにも十分気をつける必要があるでしょう。まだまだ当分この暑さ続きそうです・・・