私がトランスクリプションを担当している「ギターの為のダウランド・リュート曲集」。先日、第5巻のパヴァン集が発売されました。このギター曲集はD.ポールトン女史による「The Collected Lute Music of John Dowland」を底本としておりますが、第5巻パヴァン集ではポールトン全集に含まれていない2曲(Pauana Douulant / ダウランドのパヴァーナ、Pauana Douulandi. Angli / イングランド人ダウランドのパヴァーナ)も含む事となりました。
この2曲はJohann Daniel Myliusによる「Thesaurus gratiarum / 感謝の宝庫 Frankfurt 1622 」という手稿譜に含まれております。音楽学者のティム・クロフォード氏によってその存在が指摘され、著名なリュート奏者ヤコブ・リンドベルイ氏が録音用に編纂し直したタブラチュアを氏より提供を受け、それをギター用にトランスクリプションしています。元の手稿譜は一見すると結構見易いタブラチュアなのですが、内容にミスが多くそのまま使用するのは困難な部分もあるようです。
この一連のギターの為のダウランド曲集も、あと残すは第6巻の小品集のみ!
【楽譜】ギターのためのジョン・ダウランド・リュート曲集5.〜パヴァン集〜/秋山幸生(移曲)、小川伊作(監修)