Muzikkon社の取り扱っているリュートは値段もお手頃なので、当教室でも入門用の楽器として生徒さんに紹介しています。デフォルトで張られているのはナイルガットと巻弦の組み合わせなので、出来ればガット弦に交換することをお薦めしています。
生徒のSさんもガットに交換するという事で、ドイツのKürschner社から購入されるといい旨、お伝えしていました。通常はアメリカのGamut社を紹介しているのですが、同社は年内いっぱいの供給が不安定で、セールなどもおそらくないだろう、との情報を受けていたので今回はこういう措置を取りました。
巻弦仕様の楽器だとペグの弦穴やブリッジ穴の径が小さいので、5コース以下の系の太いガット弦を張れるようにそれらの穴を少し拡張する必要があります。ハンドドリルを使えば割とすぐに出来るので、その作業はレッスン後に私の方でやってあげています。
Sさんも注文されていたガット弦が到着したので、先日レッスンの後に弦穴の拡張作業を行いました。そこまでは問題なかったのですが、いざ低音弦(Catline)を張る段階になって「あれれ、弦が短くねえか?」というアクシデントが。インボイスを見たら、長さは70cmと書いてあるではないですか!
後になって分かったのですが、私がSさんにお伝えしていた購入するべき品番に間違いあった事が判明しました。Kürschner社のプレインガットは1つのゲージに90,125,180cmと3種類の長さがあり、同じケージでも長さによってそれぞれの品番は異なります。一般的なG調弦のルネサンスリュートであれば一番短い90cmでも問題なく張れるでしょう。
しかし低音弦のCatlineという弦は70,115,180cmの3種類の長さということになっており、プレインガットとは異なる長さである事をすっかり見落としていました。思い込みが招いたミスです。
糸倉の手前側であれば70cmでもどうにかギリギリ張れるのですが、糸倉の奥の方の弦は全然長さが足りません。それについては応急処置として、余った弦と結び合わせ継ぎ足す事でどうにかしのぎました。Sさんには申し訳ない事をしました。↓のようにPCで見たら一目瞭然なんですけどね。スマートフォンだとスクロールするから・・・ なんて言い訳。注文にはご注意を!